■トルコ共和国における資料調査

[期間] 2010年2月7日(日)〜2月28日(日)
[国名] トルコ共和国
[出張者] 清水保尚(東京外国語大学オープン・アカデミー講師)

[概要]
 報告者は、2010年2月7日から2月28日までトルコ共和国のイスタンブル市に所在する研究機関で資料調査及び収集をおこなった。 調査機関は総理府オスマン文書館とスレイマニイェ図書館とその管轄下の図書館である。

 資料の調査と収集の上で、スレイマニイェ図書館とベヤズィト図書館では、簿記術と文書作成術に関するとオスマン語の写本を 調査した。総理府オスマン文書館では、帳簿の具体的な実例を知るため、会計簿、日々出納簿といった帳簿を中心に資料の収集を おこなった。

 スレイマニイェ図書館では、簿記術を一層多面的に理解するため、意思決定を様式化した文書の用例に当る必要を感じ、今回は文書 の用例を集成したオスマン語の写本のデジタル画像を収集した。ベヤズィト図書館では、ある研究書に基づき簿記術に関する写本を 探したが、著者の記載の誤りのためか、その後の整理による変更によるものかわからないが、該当する資料を探し当てることができな かった。

 総理府オスマン文書館では、報告者の問題関心に則し、昨年度に続いてシリアのアレッポとその周辺域と関わる会計簿、日々出納簿を 中心に収集した。また、今回滞在中にトプカプ宮殿博物館文書館に所蔵される帳簿資料のデジタル画像が総理府オスマン文書館で公開 された。このため、トプカプの文書館が豊富に収蔵しているメッカ・メディナの両聖都に金品を送るため設定されたワクフ(寄進財)に 関するアレッポ関連の会計簿を、これまた前年度に続き可能な限り網羅的に調査した。

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