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■トルコ共和国における資料調査
[期間] 2012年2月29日(水)〜3月13日(火)
[国名] トルコ共和国
[出張者] 齋藤久美子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所ジュニア・フェロー)
[概要]
報告者は2012年3月1日(木)から3月12日(月)までトルコ共和国イスタンブル市に所在する首相府オスマン文書館と
イスラーム研究センター附属図書館において資料調査および収集を行った。
今回は主に首相府オスマン文書館で調査をする予定であったが、到着してみると、運悪くシステム障害のために、
文書館のコンピュータで資料閲覧が出来なくなっていた。このため、急遽、システムが復旧するまでイスラーム研究
センター附属図書館で既往研究に関する調査を行うことにした。システムが復旧したのが3月5日であり、それ以降は
首相府オスマン文書館で調査を行った。
首相府オスマン文書館では、オスマン文書史料における「イラン式簿記述」の用例を広く収集するという目的のもと
調査を行った。今回重点的に調査したのが報告者の研究テーマでもある「前近代オスマン朝のティマール制」に関わる
文書史料である。オスマン朝のティマール制研究に際しては、ティマール保有者とその収入源となる税目や税額などが
記された「簡易帳(租税台帳)」と、ティマール保有に際して勅許状発行のために必要なテズキレ(有資格者であるこ
とを示す証書)を写した「ディルリク(ティマール)発給簿」が利用されてきたが、これらは主としてティマールの保
有状況を示した帳簿である。オスマン朝のティマール政策を総合的に検討するためには、ティマールの保有状況に加えて、
ティマール授与に関わる文書行政の流れも理解する必要がある。以上のような問題関心から、近年新たに閲覧可能とな
った帳簿も含めて、ティマール授与プロセスに関わる文書史料を調査した。ティマール授与に関わる文書行政は、主に
御前会議局(Divan-i Humayun Kalemi)、委任局(Nisan ve Tahvil Kalemi)、ルウース局(Ruus Kalemi)、文書保存
局(Defterhane)において進められたが、これらの部局で作成された文書史料は当該部局の名前のついたフォンドだけ
ではなく、キャーミル・ケペジ(Kamil Kepeci)分類や旧財務省移管帳簿(Maliyeden Mudevver Defterler)など他の
フォンドに整理されているものも多い。今回は上記のフォンドに整理されている文書史料を閲覧したが、このうち、CD
として画像を収集したのは、以下の請求番号が付された資料である(帳簿については全頁ではなく必要な頁のみ収集)。
A.{DVN (Bab-i Asafi Divan-i Humayun Kalemi Belgeleri) 97, 98, 100
A.{NST.d (Bab-i Asafi Nisan ve Tahvil Kalemi Defterleri) 1074, 1209
A.{RSK.d (Bab-i Asafi Ruus Kalemi Defterleri) 1456, 1481, 1501, 1512, 1551, 1555
KK.d (Kamil Kepeci Defterleri) 105, 111, 116, 117, 121, 132, 133, 136, 143, 146, 147, 148, 169, 171, 175, 209, 211, 266,
MAD.d (Maliyeden Mudevver Defterler) 2742, 2933, 3260, 3458, 3462, 3774, 4659, 7075, 7301, 9825, 9838, 9849, 9855, 9879, 15605, 17895, 17945
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